最終話

7. 地蔵院と地蔵院

黒沢せんせ傷害事件現場   

地蔵院(竹寺)

最終話に登場した「地蔵院」と「地蔵院」です。ひとつめは「竹寺」と称される衣笠山地蔵院で、嵯峨野の住宅地の先にある竹林に囲まれた静かなお寺さんでした。

山が迫る住宅地の一角
  
情報量が多い地蔵院(竹寺)山門
禅寺らしい鄙びた味わい
一休禅師はこの辺りの生まれだそうな

南北朝時代、室町管領の細川頼之公が宗鏡禅師を招請して創建され、以降細川家に縁が深く、訪問時は細川護熙元首相の手による襖絵が公開されていました。

地蔵尊を祀る本堂
自然石そのままなのが珍しい細川頼之公墓所
方丈の元首相奉納の襖絵
ハート形っぽい猪目(いのめ)窓
平庭式枯山水庭園

地蔵院(椿寺)

もうひとつが、嵐電北野白梅町駅のほど近くの西大路一条にある昆陽山(こんようざん)地蔵院。伊織(松下由樹)のタクシーのナビにも大将軍(だいしょうぐん)周辺マップが映し出されましたが、近年「妖怪ストリート」として知られる大将軍商店街手前の一条通と西大路の角にある、こじんまりしたお寺さんです。

寺の前の一条通を東に行くと大将軍八神社がある

ネタバレになる為詳細は省きますが、ここでカーナビ見て「へえ、大将軍なんて変わった地名ですねえ~」なんて言っちゃったら全てワヤです。京都にあんまり詳しくない鷹揚な黒沢せんせ故に、ハメられた上に大変なことになりました。

妖怪ストリートの幟が立つ

ツッコミはともかく、明子はんも言っていたようにこちらの通称は「椿寺」です。

   
蕾はまだ小さかった
花弁が散るタイプの椿

豊臣秀吉が北野大茶会で宿となった寺に寄進したという「五色八重散椿」が有名で、この椿をテーマに速水御舟が描いたのが、美術の教科書などでおなじみの屏風絵「名樹散椿(めいじゅちりつばき)」。当時のものは枯れ、現在あるのは樹齢約120年の二世だそうな。次回は花の頃に伺おうと思います。

「鍬形(くわがた)地蔵」の詳しい謂れについては「椿寺だより」をお読みください。

開祖は行基
鍬形地蔵尊のお隣には十一面観音菩薩が祀られている

このふたつの寺の他に、宝鏡寺、化野念仏寺、三年坂、白川の親水デッキ、南禅寺水路閣、渡月橋近辺と、最終話ではふんだんにロケがされていて、ファンは大いに楽しませていただきました。長い間ありがとうございました。

宝鏡寺の人形塚
南禅寺水路閣

ところで我が家の仏壇は地元産の三河仏壇ですが、タイプとしては大阪型でした。秋山さん、色々教えてくれてありがとう。

2024年4月28日公開